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共創事例

海藻由来の容器を、フードデリバリー大手が加盟店で段階的に試し、自社の販売網で広げる

Just Eat Takeaway.com(Just Eat Takeaway.com N.V.。英国の事業はJust Eat)(大手企業) × Notpla(Notpla Limited)(スタートアップ)

英国ロンドン事業化情報確認日 2026年10月12日

海藻からプラスチック代替の包材を作るロンドンのスタートアップNotplaと、フードデリバリー大手Just Eat(2020年以降はJust Eat Takeaway.com)の共創です。2018〜2019年に英国で海藻由来のソース用小袋を1店舗、10店舗、65店舗と広げながら試し[2][3]、2020年には海藻コーティングの紙製持ち帰り容器を3店舗で試行、2021年には11店舗・3万箱に拡大しています[6][7]。2021年10月から加盟店向けのウェブショップで販売を始め[11]、2024年末までに10か国で累計約400万個を販売しています[28]。NotplaはJust Eat向けの展開を含む応募で2022年のアースショット賞を受賞し[13][17]、2026年4月時点で累計4,000万個超のプラスチックを置き換えたとしています[32]。

1共創の構造図解:共創プロジェクトの形

海藻由来の容器を、フードデリバリー大手が加盟店で段階的に試し、自社の販売網で広げる:共創の構造(Just Eat、Notpla)プロジェクト全体の段階探索PoC共同開発事業化スケールBefore|起点During|共創After|成果AJust Eat1ニーズ・シーズ加盟店が実際に使える使い捨てプラスチック容器の代替品を用意し、業界の脱プラを主導したい2提供リソース加盟店と顧客という実証の場、ウェブショップの販売網、販促と価格差の補填、UEFA決勝戦という大規模な採用の場AJust Eatの成果5獲得成果確認できた成果10か国の加盟店向けショップで販売し、累計約400万個。UEFA決勝戦でも継続して採用今後の目標・期待全市場への展開と、規制・支援策による代替包材の普及(2025年6月以降の更新は未確認)BNotpla1ニーズ・シーズ海藻コーティング包材を実店舗で試し、量産に見合う販売数量と実績を得たい2提供リソース海藻コーティング技術、小袋と紙箱、増産体制、EU指令上のプラスチックフリー評価と各種認証BNotplaの成果5獲得成果確認できた成果2022年に100万個超を製造、アースショット賞受賞、大口顧客の獲得、累計4,000万個超の置き換え今後の目標・期待年間1億個超、2030年までに10億個の置き換え3共同活動小袋と容器を1店舗から65店舗、3店舗から11店舗へと段階的に実証し、2021年からウェブショップで販売。10か国・累計約400万個へ4成果物海藻由来のソース小袋、海藻コーティングの紙製持ち帰り容器、加盟店向けショップでの販売、UEFA決勝戦での提供

Before起点

AJust Eat

① ニーズ・シーズ加盟店が実際に使える使い捨てプラスチック容器の代替品を用意し、業界の脱プラを主導したい
② 提供リソース加盟店と顧客という実証の場、ウェブショップの販売網、販促と価格差の補填、UEFA決勝戦という大規模な採用の場

BNotpla

① ニーズ・シーズ海藻コーティング包材を実店舗で試し、量産に見合う販売数量と実績を得たい
② 提供リソース海藻コーティング技術、小袋と紙箱、増産体制、EU指令上のプラスチックフリー評価と各種認証

During共創

③ 共同活動小袋と容器を1店舗から65店舗、3店舗から11店舗へと段階的に実証し、2021年からウェブショップで販売。10か国・累計約400万個へ
④ 成果物海藻由来のソース小袋、海藻コーティングの紙製持ち帰り容器、加盟店向けショップでの販売、UEFA決勝戦での提供

After成果

AJust Eatの成果

⑤ 獲得成果確認できた成果10か国の加盟店向けショップで販売し、累計約400万個。UEFA決勝戦でも継続して採用今後の目標・期待全市場への展開と、規制・支援策による代替包材の普及(2025年6月以降の更新は未確認)

BNotplaの成果

⑤ 獲得成果確認できた成果2022年に100万個超を製造、アースショット賞受賞、大口顧客の獲得、累計4,000万個超の置き換え今後の目標・期待年間1億個超、2030年までに10億個の置き換え

プロジェクト全体の段階

探索PoC共同開発事業化スケール
①ニーズ・シーズ ②提供リソース ③共同活動 ④成果物 ⑤獲得成果。図の内容は本文と同じ出典に基づきます。
段階:事業化 2021年10月に英国の加盟店向けウェブショップで通常販売に移り[10][11]、2022年に6市場、2023年に9市場、2024年に10か国へ広げて、2022年以降の累計約400万個を販売しています[17][25][28]。2025年6月にはUEFAの5つの決勝戦で207,570個を配布する計画を発表し、協業の継続を示しています[30]。一方、2025年6月以降、加盟店向け販売の数量や市場の更新は確認できず、Just Eat Takeaway.comは2025年10月にProsusに買収され、11月に上場廃止になっています[31]。Notplaの2026年4月の年次の振り返りにJust Eatの名前はなく[32]、販売は続いているとみられるものの規模の推移は未確認です(2026年10月時点)。事業化には達していますが、数量の伸びが確認できないため、スケールではなく事業化の段階と判断しています。

2背景と各組織の狙い

Just Eatは2001年にデンマークで始まり、2006年に英国へ本社を移したフードデリバリーのプラットフォームで、2020年にオランダのTakeaway.comと統合しています[17]。2018年3月、Just Eat UKは加盟店向けショップでの使い捨てプラスチックの販売をやめ、代替包材の研究開発に投資すると発表しました。消費者調査では74%がカトラリーやソース小袋を「不要」と答えていました[1]。英国の持ち帰り産業では年間5億個のプラスチック容器が使われると同社は推計し[7]、紙製の容器もプラスチックやバイオプラスチックの内張りが一般的でした[11]。

Notplaは2014年にロンドンでSkipping Rocks Labとして設立され(2019年に改称)[36]、海藻由来の食べられる液体容器「Ooho」で知られたスタートアップです[9]。

英国では2023年10月から使い捨てプラスチックのカトラリーなどの供給が禁止され[22]、オランダはEUの使い捨てプラスチック指令のもとでプラスチックを含む容器に課税しています[24]。Just Eatには加盟店に示せる代替品が、Notplaには量産と実証の場が、それぞれ必要でした。

3提供資源と役割

AJust Eat Takeaway.com(Just Eat Takeaway.com N.V.。英国の事業はJust Eat) 大手企業・アムステルダム(本社)。英国の事業はロンドン ・ 公式サイト

2000年にオランダで始まったThuisbezorgd.nl(のちのTakeaway.com)と、2001年にデンマークで始まり2006年に英国へ本社を移したJust Eatが、2020年に株式交換で統合した企業[17]。2024年末時点で18か国で事業を行い、加盟店75万6,000、アクティブ消費者7,900万人。英国・アイルランド部門の加盟店は10万で、英国の事業はJust Eat(Just Eat Limited、旧Just Eat plc)が担う[28]。2025年10月にProsusが株式の98.19%を取得し、11月にユーロネクスト・アムステルダムで上場廃止[31]。本事例が始まった2018年の相手は統合前のJust Eat(英国)[1]。

役割
実証の場(加盟店・顧客)と販売網の提供、イベントでの採用
① ニーズ・シーズ
2018年3月、Just Eat UKは加盟店向けショップでの使い捨てプラスチックの販売をやめ、代替包材の研究開発に投資すると発表し、当時の英国マネージングディレクターのコーフィールド氏は「影響力を使って、加盟店と顧客のより環境に配慮した行動を促す」(編集部訳)と述べています[1]。英国の持ち帰り産業では年間5億個のプラスチック容器が使われると同社は推計し[7]、紙製の容器もプラスチックやバイオプラスチックの内張りが一般的でした[11]。2022年のラバディア氏は「加盟店が環境に配慮した製品や慣行を採用するのを助けることで、直接の管理下にない業務にも影響を与えられる」(編集部訳)としています[12]。英国では2023年10月から一部の使い捨てプラスチックが禁止され[22]、同社は政府に持ち帰り容器への規制拡大と代替品の普及支援を求めています[21]。
② 提供リソース
実証の場としての英国の加盟店(2019年時点で35,700店[3])と顧客。小袋の実証(2018年に1店舗と10店舗、2019年に65店舗)[2][3]、容器の実証(2020年に3店舗、2021年に11店舗・3万箱)[6][7]を順に提供。加盟店向けウェブショップでの販売(2021年10月から。2022年に6市場、2024年に10か国)[10][17][28]と、ブラックフライデーや1月の販促[11]。アイルランドでは加盟店の購入価格を従来品と同額にそろえる5万ユーロの基金[16][38]。UEFAスポンサー枠を使った決勝戦での採用(2022年から。2025年は5つの決勝で207,570個)[10][11][20][30]。Notplaのアースショット賞の応募で主要な部分と位置づけられた実績[17]。
③ 共同活動での担当
加盟店を選んで実証を実施し、加盟店と顧客の満足度を調査。ウェブショップでの販売と販促、各国への展開、UEFA決勝戦での採用を担った[7][8][10][11][17]。
⑤ 確認できた成果
  • 海藻コーティング容器を2022年に6市場、2023年に9市場、2024年に10か国の加盟店向けショップで販売し、2022年以降の累計は約400万個[17][25][28]
  • 2022年に67万個超、2023年に63万個超の容器を販売(2023年の報告書は「12%増」と記載)[17][25]
  • 2021年の実証後の調査で、加盟店の90%、顧客の96%が包材に満足[8]
  • 2022〜2025年のUEFA決勝戦で海藻容器を提供(2023年に約21万6,000個。2025年は5つの決勝で207,570個を配布する計画)[20][25][30]
  • Notplaのアースショット賞受賞で、Just Eat Takeaway.comとの「試し、学び、広げる」協業が応募の主要な部分だった[17]
⑤ 今後の目標・期待
  • 「英国と他の市場に広げ、世界中の顧客がプラスチック廃棄物なしに好きな持ち帰り料理を楽しめるようにする」(クラーク氏、2021年)[7]
  • 政府による持ち帰り容器への規制の拡大と、代替包材の普及・低価格化への支援[21]
実現したいこと資源循環・環境負荷低減既存商品・サービスの高度化
持っている資源顧客接点・顧客基盤販売網・物流網実証場所・施設ブランド・コンテンツ資金

BNotpla(Notpla Limited) スタートアップ・ロンドン(ハックニー) ・ 公式サイト

2014年7月にSkipping Rocks Lab Limitedとして設立され、2019年7月にNotpla Limitedへ社名変更[36]。ロドリゴ・ガルシア・ゴンザレス氏とピエール・パスリエ氏が創業し、海藻由来の食べられる液体容器「Ooho」で知られる[9][14]。2021年12月に1,000万ポンド、2024年9月に2,000万ポンドを調達[9][27]。2022年のアースショット賞受賞[13]。2026年4月時点で累計4,000万個超の使い捨てプラスチックを置き換えたと発表[32]。B Corp認証、特許10件(自社サイト)[33][34]。Horizon Europeの400万ユーロの研究事業でプラスチックを使わないコーヒーカップを開発中[39]。

役割
海藻コーティング包材の開発・生産・供給
① ニーズ・シーズ
創業時の製品「Ooho」は海藻由来の膜で液体を包む食べられる容器で、2019年のロンドンマラソンで3万6,000個を配っています[14]。パスリエ氏は「持ち帰りのソース小袋は、最も扱いが難しい使い捨てプラスチックの一つ」(編集部訳)と述べ[3]、2020年の容器については「紙製の持ち帰り容器は合成添加物を含むか、プラスチックで内張りされている。この箱で本物のプラスチックフリーで自然に分解する選択肢を提供する」「Just Eatは持続可能な包材の大きな推進役」(編集部訳)としています[5]。試作品を量産に移すには、加盟店と顧客に実際に使ってもらう場と、量産に見合う数量が必要でした。2021年12月の資金調達時に同氏は、「近く発表する商業提携と合わせ、海藻を包材の選択肢の地図に載せる好機」(編集部訳)と述べています[9]。
② 提供リソース
海藻と植物の複合材を紙に塗る独自のコーティング技術(合成添加物なし、耐水・耐油)[5][7]。ソース小袋「Ooho」と、木と草のパルプの紙箱[3][7]。2022年の塗工板の増産[16]。オランダ政府機関ILTの評価で、EU使い捨てプラスチック指令の定義上「プラスチックフリー」と認められたコーティング(2023年、Notpla発表)[23][24]。第三者レビュー済みのLCAと、家庭堆肥化・食品接触・リサイクル性などの認証(自社サイトの記載)[34]。
③ 共同活動での担当
小袋と容器を設計・製造して実証に供給し、2022年に塗工板を増産。UEFA決勝戦や各国の加盟店向けの数量を供給した[5][7][16][20]。
⑤ 確認できた成果
  • 2022年にJust Eat Takeaway.com向けに100万個超の持ち帰り容器を製造(アースショット賞の記載)[14]
  • Just Eatとの実証・展開を含む応募で2022年のアースショット賞「廃棄物のない世界」部門を受賞し、100万ポンドを獲得[13][17]
  • 受賞翌月に商業的な問い合わせが40%増え、Bidfood、Bunzl、Levy(Compass Group)などの大口の取引先を獲得。Levyとは3年で約7,500万個の契約(2024年)[19][26]
  • 2021年に1,000万ポンド、2024年に2,000万ポンドを調達。置き換えた使い捨てプラスチックは2024年9月時点で累計1,600万個、2026年4月時点で4,000万個超[9][27][32]
⑤ 今後の目標・期待
  • 「2年以内に年間1億個超の使い捨てプラスチックを置き換える」(2024年9月)[27]
  • 2030年までに10億個のプラスチックを置き換える(自社サイト)[33]
実現したいこと新商品・サービス開発販路・顧客の拡大技術開発・実用化
持っている資源技術・知財生産設備・加工能力専門人材・ノウハウ

4共同活動③

2018年3月、Just Eat UKは使い捨てプラスチック削減策の第一弾として、Skipping Rocks Lab(現Notpla)の海藻由来のソース小袋を加盟店で試すと発表しました[1]。同年6月にサウスエンドの1店舗で6週間(6,000袋超)、10月にロンドンの10店舗で8週間の実証を行い、約4万個のプラスチック小袋を置き換えたと推計しています。顧客の92%が他のソースでも同じ包材を望みました[2]。2019年11月には、Innovate UKの支援のもとユニリーバのHellmann'sが加わり、ロンドンの65店舗で4種のソースを海藻小袋で提供しています[3][4]。

容器への展開は2020年2月で、ロンドンの3店舗で海藻コーティングの紙箱を試し、両社は「持ち帰り業界で世界初の海藻内張りの箱」としています[5][6]。2021年3月には英国の11店舗で3週間・3万箱に拡大し、リサイクル可能で家庭の堆肥で4週間で分解するという仕様を示しました[7]。実証後の調査では加盟店の90%、顧客の96%が満足したと同社は述べています[8]。

2021年10月、Just Eatは英国の加盟店向けウェブショップで容器の販売を始め、2022年7月までに6万5,000箱を売っています[11]。2022年にはオランダ・ドイツ・オーストリアに広げ[10]、UEFAスポンサー枠を使ってヨーロッパリーグ決勝、女子チャンピオンズリーグ決勝、女子EURO決勝で容器を提供しました[10][11]。同年10月にはアイルランドで6市場目の販売を始め[12]、2023年初めには加盟店の購入価格を従来品と同額にそろえる5万ユーロの基金を設けています[15][16][38]。

年次報告書によれば、2022年に67万個超、2023年に63万個超の容器を販売し(9市場)、2024年には10か国で2022年以降の累計約400万個に達しています[17][25][28]。UEFAでは2023年の決勝3試合向けに17万5,000個超を用意し[20]、2025年の5つの決勝では207,570個を配布するとしています[30]。Notplaは2022年12月、この展開を含む応募でアースショット賞を受賞しています[13][17]。

5成果物と成果④⑤

成果物

  • 海藻由来のソース小袋「Ooho」(2018〜2019年の実証。ケチャップ、BBQ、タルタル、ガーリック)[2][3]
  • 海藻と植物の複合材でコーティングした紙製持ち帰り容器(木と草のパルプ、合成添加物なし、耐水・耐油。リサイクル可能、家庭の堆肥で4〜6週間で分解)[7][11]
  • Just Eat Takeaway.comの加盟店向けウェブショップでの「Just Eat Notpla」容器の販売(2021年10月〜、2024年に10か国)[10][12][28]
  • UEFA決勝戦での容器の提供(2022〜2025年)[10][11][20][30]
  • アイルランドの5万ユーロの価格差補填基金(2023年)[16][38]
  • アースショット賞ロゴ付きの容器(2023年6月に生産開始予定と発表)[19]

容器の数量は出典ごとに集計の範囲が異なります。Just Eat Takeaway.comの年次報告書は「販売」した容器数(2022年67万個超、2023年63万個超、2022年以降の累計約400万個)を示し[17][25][28]、アースショット賞のページはNotplaが2022年にJust Eat Takeaway.com向けに「製造」した容器を100万個超としています[14]。UEFA関連は、2023年6月の発表が2022年の3試合で8万5,000個[20]、2023年の年次報告書が2022年に19万2,000個、2023年に約21万6,000個としており、集計の範囲は明示されていません[25]。小袋の実証も、2019年5月の議会提出資料が約4万個[2]、同年11月以降の発表が4万6,000個超としています[3][5]。Notpla全体の累計(2024年9月1,600万個、2026年4月4,000万個超)はJust Eat向け以外を含む自社発表です[27][32]。

未確認・留意点
  • 2025年6月のUEFA決勝戦での提供の発表[30]以降、Just Eat Takeaway.comによる加盟店向け販売の数量・市場の更新は確認できません。Notplaの2026年4月の年次の振り返りにJust Eatの記載はなく[32]、自社サイトの説明に「Just Eatと組んで数百万個の容器を届けた」とあるのみです[33]
  • 2025年のProsusによるJust Eat Takeaway.comの買収[29][31]がこの共創に与えた影響は、公表情報では確認できません
  • 2023年の年次報告書は「63万個超」を「2022年比12%増」としていますが、2022年の報告書の「67万個超」とは整合しません。原文の表記(630,000 thousand)に誤りがある可能性があります[17][25]
  • 「持ち帰り業界で世界初の海藻内張りの箱」[5]、「EU指令上プラスチックフリーと認められた唯一の素材」[24]は当事者の表現で、第三者の検証は確認していません。オランダ政府機関ILTの評価の原資料も未確認です[23]
  • 家庭堆肥化・食品接触・リサイクル性などの認証はNotplaの自社サイトの記載で[34]、認証機関の登録は確認していません。同サイトは、封止に少量の工業用接着剤(ポリマー含有1%未満)を使うとしています[34]
  • 加盟店の購入価格、Just Eat側の負担額、Notplaとの契約形態(独占の有無、出資の有無)は公表されていません。アイルランドの基金[16][38]以外の価格補填は確認できません
  • Notplaのシリーズ A(1,000万ポンド)は報道では2021年12月ですが[9]、同社サイトの沿革は2020年としています[35]
  • 小袋「Ooho」のその後(Just Eatでの通常販売の有無)は確認できません。2021年3月の発表では「より広く展開する方法を検討中」とされています[7]
  • Notplaが財団のサイトに提供した説明は、2024年までにJust Eatの10市場に展開し「2024年に350万個を置き換えた」としていますが、Just Eat向けに限った数量かどうかは明示されておらず、本文では使っていません[37]

6組み合わせの意味編集部の考察

考察

この組み合わせの要点は、プラットフォーム企業が「場」を段階的に開いたことにあると考えられます。Just Eatは自社で容器を作らず、小袋では1店舗から65店舗へ、容器では3店舗から11店舗へと実証を広げ[2][3][6][7]、加盟店と顧客の反応を確かめてから[8]、加盟店向けウェブショップという既存の販売網に載せました[11]。ラバディア氏の「直接の管理下にない業務にも影響を与えられる」(編集部訳)という言葉のとおり[12]、包材を選ぶのは加盟店であり、Just Eatの役割は選択肢を用意し、価格差の補填[16][38]やUEFA決勝戦のような舞台[20][30]で後押しすることだったとみられます。

Notplaにとっては、この展開が量産と信用の足場になったと推察できます。2022年の塗工板の増産[16]、アースショット賞の応募での位置づけ[17]、受賞後の問い合わせの急増とBidfood・Bunzl・Levyなどの大口顧客[19][26]は、Just Eatとの実証と販売の実績を経て得られています。

一方、数量の面では道半ばとみられます。2022年以降の累計約400万個[28]は、英国だけで年間5億個とされる市場[7]に対して小さく、Just Eat自身も「様々な料理に合う確かな代替品を見つけるには、まだ長い道のりがある」(編集部訳)と述べています[18]。同社の2023年の調査では、環境配慮型の包材に上乗せ料金を払う人は33%と2019年の50%から減っており[21]、価格と規制が普及の速さを左右する可能性があります。

7他社への応用編集部の考察

考察

この型は、多数の中小事業者を束ねるプラットフォームや流通業(デリバリー、フランチャイズ本部、ECモール、業務用卸など)と、新素材・新包材を持つスタートアップの共創に応用できると考えられます。プラットフォーム側は自社の調達を大きく変えずに実証の場・販売網・販促を提供でき、スタートアップは実際の使用条件での検証と、量産に見合う初期の数量を得られる可能性があります。

成立の条件としては、第一に、数店舗から始めて満足度を測り、段階ごとに規模を上げる設計が挙げられます[2][3][7][8]。第二に、実証で終わらせず、既存の販売網に製品を載せて加盟店が自分で買える状態にすることです[11]。第三に、価格の差を埋める仕組みで、本事例ではアイルランドで従来品と同額にそろえる基金を設けています[16][38]。第四に、スポンサー契約などの「舞台」を使って、大規模な使用実績と認知を一度に作ることです[20][30]。

留意点として、包材の採用は最終的に加盟店の判断であり、プラットフォームが数量を約束できるわけではありません。本事例でも年間の販売は数十万個台で推移しています[17][25]。また、「プラスチックフリー」「堆肥化可能」といった主張は規制上の定義や認証に依存するため、第三者の評価[23][34]を早い段階で確保しておくことが望ましいでしょう。

成立に必要な条件

  • 数店舗から始めて加盟店と顧客の満足度を測り、段階ごとに規模を上げる実証の設計があること[2][3][7][8]
  • 実証後に、既存の販売網(加盟店向けショップ)に製品を載せ、加盟店が自分で購入できる状態にすること[11][28]
  • 従来品との価格差を埋める販促や補填の仕組みを用意すること[16][38]
  • スポンサー契約や大規模イベントを使い、大量の使用実績と認知を一度に作ること[20][30]
  • 「プラスチックフリー」「堆肥化可能」などの主張について、規制上の定義と第三者の評価を早い段階で確保すること[23][34]
  • 採用は加盟店の判断であることを前提に、数量の見通しを慎重に置くこと[17][25][28]

8出典

  1. [1]Just Eat to trial seaweed sachets as part of plastic reduction plans
    Restaurant Online(William Reed)・取材記事・英語・公表日 2018年3月2日・確認日 2026年10月12日
  2. [2]Written evidence submitted by Just Eat (PPP0024)
    英国議会(下院委員会への提出資料)・自治体・公的機関の資料・英語・公表日 2019年5月・確認日 2026年10月12日・Just Eatが議会の食品・飲料のプラスチック包装に関する調査に提出した資料。2018年の2回の小袋実証の数値を記載
  3. [3]Hellmann's and Just Eat join forces
    ユニリーバ英国・プレスリリース・英語・公表日 2019年11月・確認日 2026年10月12日・ページに日付の記載がなく、報道日(2019年11月13日)から推定
  4. [4]Under the sea sustainability: Just Eat-Hellmann's collaboration brings Notpla's seaweed sachets to takeout sector
    Packaging Insights・取材記事・英語・公表日 2019年11月13日・確認日 2026年10月12日
  5. [5]Just Eat to trial seaweed-lined takeaway box
    Packaging Scotland・取材記事・英語・公表日 2020年2月26日・確認日 2026年10月12日・Just Eatの発表に基づく記事
  6. [6]Just Eat and Notpla create seaweed-lined box for takeaway sector
    Packaging Gateway・取材記事・英語・公表日 2020年2月28日・確認日 2026年10月12日・出典5と同じ発表に基づく。3,600箱という実証の規模を記載
  7. [7]Just Eat and Notpla boost drive to tackle plastic pollution in takeaway sector with expansion of seaweed-coated box trial
    Just Eat Takeaway.com・プレスリリース・英語・公表日 2021年3月31日・確認日 2026年10月12日
  8. [8]'We need more innovation': Just Eat unpacks its sustainability strategy
    Packaging Europe・取材記事・英語・公表日 2021年12月13日・確認日 2026年10月12日・Just Eat Takeaway.comのクラーク氏への取材
  9. [9]Notpla raises £10m for its packaging made from seaweed
    FoodBev Media・取材記事・英語・公表日 2021年12月13日・確認日 2026年10月12日
  10. [10]Just Eat Takeaway.com brings seaweed-lined packaging to the UEFA Finals in Seville and Turin
    Just Eat Takeaway.com・プレスリリース・英語・公表日 2022年5月25日・確認日 2026年10月12日
  11. [11]Just Eat & UEFA introduce 'game changing' biodegradable packaging to Women's EURO Final
    Just Eat Takeaway.com・プレスリリース・英語・公表日 2022年7月29日・確認日 2026年10月12日・編集者向け注記に、2021年の実証(11店舗・3万個)とウェブショップでの販売実績(6万5,000箱)を記載
  12. [12]Just Eat Partners With Notpla To Boost Drive To Tackle Takeaway Sector Plastic Pollution
    Hospitality Ireland・取材記事・英語・公表日 2022年10月19日・確認日 2026年10月12日・Just Eatアイルランドの発表に基づく記事
  13. [13]2022 Earthshot Prize winners announced at awards ceremony in Boston
    アガ・カーン開発ネットワーク(AKDN。アースショット賞のファウンディング・パートナー)・プレスリリース・英語・公表日 2022年12月5日・確認日 2026年10月12日・アースショット賞の発表(2022年12月2日)を伝えるパートナー組織の発表
  14. [14]Notpla - Earthshot Prize Winner 2022
    アースショット賞・公式サイト・英語・公表日 不明・確認日 2026年10月12日・受賞者ページ。2025年4月更新。2022年のJust Eat Takeaway.com向け容器100万個超、2023年の実績を記載
  15. [15]Just Eat rolls out seaweed-coated packaging for restaurant partners
    The Irish Times・取材記事・英語・公表日 2023年1月31日・確認日 2026年10月12日
  16. [16]Just Eat Announces Fund To Support Uptake Of Notpla Packaging
    Hospitality Ireland・取材記事・英語・公表日 2023年2月10日・確認日 2026年10月12日・Just Eatアイルランドの発表に基づく記事。Notpla創業者の「2022年に塗工板の生産を拡大」という発言を記載
  17. [17]Annual Report 2022
    Just Eat Takeaway.com・公式サイト・英語・公表日 2023年3月1日・確認日 2026年10月12日・AnnualReports.co.ukに掲載されたPDFで確認。Notplaの記載は64ページ、統合の経緯は沿革図
  18. [18]Earth Day 2023 | Working towards a more sustainable food delivery industry
    Just Eat Takeaway.com・公式サイト・英語・公表日 2023年4月22日・確認日 2026年10月12日
  19. [19]Prince William visits Notpla as they unveil new Earthshot-branded product and prepare for major fundraising round
    アースショット賞・公式サイト・英語・公表日 2023年5月23日・確認日 2026年10月12日
  20. [20]Just Eat Takeaway.com ramps up roll-out of sustainable packaging across UEFA competitions
    Just Eat Takeaway.com・プレスリリース・英語・公表日 2023年6月1日・確認日 2026年10月12日
  21. [21]Just Eat reveals strong public support for action to tackle the problem of plastic waste
    Just Eat Takeaway.com・プレスリリース・英語・公表日 2023年9月29日・確認日 2026年10月12日
  22. [22]New bans and restrictions on polluting single-use plastics come into force
    英国環境・食料・農村地域省(Defra)・自治体・公的機関の資料・英語・公表日 2023年9月29日・確認日 2026年10月12日
  23. [23]Dutch Government names Notpla's seaweed-based packaging the 'first and only' plastic-free material
    Packaging Europe・取材記事・英語・公表日 2023年11月2日・確認日 2026年10月12日・Notplaの発表に基づく記事
  24. [24]The Netherlands takes a stand against plastic waste with Notpla
    Notpla・公式サイト・英語・公表日 2023年11月9日・確認日 2026年10月12日
  25. [25]Annual Report 2023
    Just Eat Takeaway.com・公式サイト・英語・公表日 2024年2月28日・確認日 2026年10月12日・AnnualReports.co.ukに掲載されたPDFで確認。Notplaの記載は44ページ
  26. [26]Prince William champions Notpla's new partnership to bring sustainable packaging to sporting events
    アースショット賞・公式サイト・英語・公表日 2024年3月8日・確認日 2026年10月12日
  27. [27]Notpla Secures £20 Million in Series A+ Funding to Revolutionise Sustainable Packaging
    Notpla・プレスリリース・英語・公表日 2024年9月24日・確認日 2026年10月12日
  28. [28]Annual Report 2024
    Just Eat Takeaway.com・公式サイト・英語・公表日 2025年2月26日・確認日 2026年10月12日・AnnualReports.co.ukに掲載されたPDFで確認。Notplaの記載は40ページ、会社概要は11〜18ページ
  29. [29]Prosus to acquire Just Eat Takeaway.com for €4.1bn
    Prosus・プレスリリース・英語・公表日 2025年2月24日・確認日 2026年10月12日
  30. [30]Beyond the Game: Initiatives Powered by our UEFA Partnership
    Just Eat Takeaway.com・公式サイト・英語・公表日 2025年6月26日・確認日 2026年10月12日
  31. [31]Final results of Prosus Offer for Just Eat Takeaway.com
    Just Eat Takeaway.com・Prosus(共同発表)・プレスリリース・英語・公表日 2025年10月17日・確認日 2026年10月12日
  32. [32]From 40 million to what comes next: reflecting on a year of Notpla's impact
    Notpla・公式サイト・英語・公表日 2026年4月22日・確認日 2026年10月12日
  33. [33]Notpla's Impact
    Notpla・公式サイト・英語・公表日 不明・確認日 2026年10月12日・2025/26年インパクトレポートの概要(累計4,100万個超)と、Just Eatとの協業の位置づけを記載
  34. [34]Innovative Disposable Food Containers
    Notpla・公式サイト・英語・公表日 不明・確認日 2026年10月12日・容器の仕様、認証、LCAの数値、FAQ(接着剤の使用など)を記載
  35. [35]Company
    Notpla・公式サイト・英語・公表日 不明・確認日 2026年10月12日・沿革(2022年のJust Eatとの容器発売、2020年のシリーズAなど)
  36. [36]NOTPLA LIMITED overview(Company number 09147492)
    英国会社登記所(Companies House)・自治体・公的機関の資料・英語・公表日 不明・確認日 2026年10月12日
  37. [37]Seaweed packaging at scale: Just Eat and Levy pioneer a new standard for food delivery
    ソーラー・インパルス財団(Solutions Explorer)・その他・英語・公表日 2024年9月2日・確認日 2026年10月12日・Notplaが提供した内容を財団が掲載したもの(財団は正確性を保証しないと注記)。本文では直接の根拠に使っていない
  38. [38]Just Eat To Roll Out Notpla Packaging For Remaining Leinster Fixtures In RDS
    Checkout(アイルランド)・取材記事・英語・公表日 2023年2月2日・確認日 2026年10月12日・出典16と同じ発表に基づく。「従来の包材と同じ価格で購入できる」という価格合わせの内容を記載
  39. [39]The seaweed coffee cup
    Notpla・公式サイト・英語・公表日 不明・確認日 2026年10月12日

公表日は出典の掲載日、確認日は編集部が内容を確認した日です。出来事の日付は本文に記載しています。日本語以外の出典は、編集部が内容を日本語にして要約しています。引用文の訳も編集部によるものです。

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