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共創事例
海藻由来の容器を、フードデリバリー大手が加盟店で段階的に試し、自社の販売網で広げる
Just Eat Takeaway.com(Just Eat Takeaway.com N.V.。英国の事業はJust Eat)(大手企業) × Notpla(Notpla Limited)(スタートアップ)
英国 ロンドン 事業化 情報確認日 2026年10月12日
海藻からプラスチック代替の包材を作るロンドンのスタートアップNotplaと、フードデリバリー大手Just Eat(2020年以降はJust Eat Takeaway.com)の共創です。2018〜2019年に英国で海藻由来のソース用小袋を1店舗、10店舗、65店舗と広げながら試し[2] [3] 、2020年には海藻コーティングの紙製持ち帰り容器を3店舗で試行、2021年には11店舗・3万箱に拡大しています[6] [7] 。2021年10月から加盟店向けのウェブショップで販売を始め[11] 、2024年末までに10か国で累計約400万個を販売しています[28] 。NotplaはJust Eat向けの展開を含む応募で2022年のアースショット賞を受賞し[13] [17] 、2026年4月時点で累計4,000万個超のプラスチックを置き換えたとしています[32] 。
目次
共創の構造 背景と各組織の狙い 提供資源と役割 共同活動 成果物と成果 組み合わせの意味 他社への応用 出典 関連事例
1 共創の構造図解:共創プロジェクトの形
海藻由来の容器を、フードデリバリー大手が加盟店で段階的に試し、自社の販売網で広げる:共創の構造(Just Eat、Notpla) プロジェクト全体の段階 探索 PoC 共同開発 事業化 スケール Before| 起点 During| 共創 After| 成果 A Just Eat 1 ニーズ・シーズ 加盟店が実際に使える使い捨てプラスチック容器 の代替品を用意し、業界の脱プラを主導したい 2 提供リソース 加盟店と顧客という実証の場、ウェブショ ップの販売網、販促と価格差の補填、 UEFA決勝戦という大規模な採用の場 A Just Eatの成果 5 獲得成果 確認できた成果 10か国の加盟店向けショップで販売し、累計 約400万個。UEFA決勝戦でも継続して採用 今後の目標・期待 全市場への展開と、規制・支援策による代替包 材の普及(2025年6月以降の更新は未確認) B Notpla 1 ニーズ・シーズ 海藻コーティング包材を実店舗で試し、 量産に見合う販売数量と実績を得たい 2 提供リソース 海藻コーティング技術、小袋と紙箱、増産体制、 EU指令上のプラスチックフリー評価と各種認証 B Notplaの成果 5 獲得成果 確認できた成果 2022年に100万個超を製造、アースショット賞受 賞、大口顧客の獲得、累計4,000万個超の置き換え 今後の目標・期待 年間1億個超、2030年までに10億個の置き換え 3 共同活動 小袋と容器を1店舗から65店舗、 3店舗から11店舗へと段階的に実証 し、2021年からウェブショップで 販売。10か国・累計約400万個へ 4 成果物 海藻由来のソース小袋、海藻 コーティングの紙製持ち帰り 容器、加盟店向けショップで の販売、UEFA決勝戦での提供
Before起点 A Just Eat
① ニーズ・シーズ 加盟店が実際に使える使い捨てプラスチック容器の代替品を用意し、業界の脱プラを主導したい
② 提供リソース 加盟店と顧客という実証の場、ウェブショップの販売網、販促と価格差の補填、UEFA決勝戦という大規模な採用の場
B Notpla
① ニーズ・シーズ 海藻コーティング包材を実店舗で試し、量産に見合う販売数量と実績を得たい
② 提供リソース 海藻コーティング技術、小袋と紙箱、増産体制、EU指令上のプラスチックフリー評価と各種認証
During共創 ③ 共同活動 小袋と容器を1店舗から65店舗、3店舗から11店舗へと段階的に実証し、2021年からウェブショップで販売。10か国・累計約400万個へ
④ 成果物 海藻由来のソース小袋、海藻コーティングの紙製持ち帰り容器、加盟店向けショップでの販売、UEFA決勝戦での提供
After成果 A Just Eatの成果
⑤ 獲得成果 確認できた成果 10か国の加盟店向けショップで販売し、累計約400万個。UEFA決勝戦でも継続して採用 今後の目標・期待 全市場への展開と、規制・支援策による代替包材の普及(2025年6月以降の更新は未確認)
B Notplaの成果
⑤ 獲得成果 確認できた成果 2022年に100万個超を製造、アースショット賞受賞、大口顧客の獲得、累計4,000万個超の置き換え 今後の目標・期待 年間1億個超、2030年までに10億個の置き換え
プロジェクト全体の段階
探索 PoC 共同開発 事業化 スケール
①ニーズ・シーズ ②提供リソース ③共同活動 ④成果物 ⑤獲得成果。図の内容は本文と同じ出典に基づきます。
段階:事業化 2021年10月に英国の加盟店向けウェブショップで通常販売に移り
[10] [11] 、2022年に6市場、2023年に9市場、2024年に10か国へ広げて、2022年以降の累計約400万個を販売しています
[17] [25] [28] 。2025年6月にはUEFAの5つの決勝戦で207,570個を配布する計画を発表し、協業の継続を示しています
[30] 。一方、2025年6月以降、加盟店向け販売の数量や市場の更新は確認できず、Just Eat Takeaway.comは2025年10月にProsusに買収され、11月に上場廃止になっています
[31] 。Notplaの2026年4月の年次の振り返りにJust Eatの名前はなく
[32] 、販売は続いているとみられるものの規模の推移は未確認です(2026年10月時点)。事業化には達していますが、数量の伸びが確認できないため、スケールではなく事業化の段階と判断しています。
2 背景と各組織の狙いJust Eatは2001年にデンマークで始まり、2006年に英国へ本社を移したフードデリバリーのプラットフォームで、2020年にオランダのTakeaway.comと統合しています[17] 。2018年3月、Just Eat UKは加盟店向けショップでの使い捨てプラスチックの販売をやめ、代替包材の研究開発に投資すると発表しました。消費者調査では74%がカトラリーやソース小袋を「不要」と答えていました[1] 。英国の持ち帰り産業では年間5億個のプラスチック容器が使われると同社は推計し[7] 、紙製の容器もプラスチックやバイオプラスチックの内張りが一般的でした[11] 。
Notplaは2014年にロンドンでSkipping Rocks Labとして設立され(2019年に改称)[36] 、海藻由来の食べられる液体容器「Ooho」で知られたスタートアップです[9] 。
英国では2023年10月から使い捨てプラスチックのカトラリーなどの供給が禁止され[22] 、オランダはEUの使い捨てプラスチック指令のもとでプラスチックを含む容器に課税しています[24] 。Just Eatには加盟店に示せる代替品が、Notplaには量産と実証の場が、それぞれ必要でした。
3 提供資源と役割
A Just Eat Takeaway.com(Just Eat Takeaway.com N.V.。英国の事業はJust Eat) 大手企業・アムステルダム(本社)。英国の事業はロンドン ・ 公式サイト
2000年にオランダで始まったThuisbezorgd.nl(のちのTakeaway.com)と、2001年にデンマークで始まり2006年に英国へ本社を移したJust Eatが、2020年に株式交換で統合した企業[17] 。2024年末時点で18か国で事業を行い、加盟店75万6,000、アクティブ消費者7,900万人。英国・アイルランド部門の加盟店は10万で、英国の事業はJust Eat(Just Eat Limited、旧Just Eat plc)が担う[28] 。2025年10月にProsusが株式の98.19%を取得し、11月にユーロネクスト・アムステルダムで上場廃止[31] 。本事例が始まった2018年の相手は統合前のJust Eat(英国)[1] 。
役割 実証の場(加盟店・顧客)と販売網の提供、イベントでの採用
① ニーズ・シーズ 2018年3月、Just Eat UKは加盟店向けショップでの使い捨てプラスチックの販売をやめ、代替包材の研究開発に投資すると発表し、当時の英国マネージングディレクターのコーフィールド氏は「影響力を使って、加盟店と顧客のより環境に配慮した行動を促す」(編集部訳)と述べています[1] 。英国の持ち帰り産業では年間5億個のプラスチック容器が使われると同社は推計し[7] 、紙製の容器もプラスチックやバイオプラスチックの内張りが一般的でした[11] 。2022年のラバディア氏は「加盟店が環境に配慮した製品や慣行を採用するのを助けることで、直接の管理下にない業務にも影響を与えられる」(編集部訳)としています[12] 。英国では2023年10月から一部の使い捨てプラスチックが禁止され[22] 、同社は政府に持ち帰り容器への規制拡大と代替品の普及支援を求めています[21] 。
② 提供リソース 実証の場としての英国の加盟店(2019年時点で35,700店[3] )と顧客。小袋の実証(2018年に1店舗と10店舗、2019年に65店舗)[2] [3] 、容器の実証(2020年に3店舗、2021年に11店舗・3万箱)[6] [7] を順に提供。加盟店向けウェブショップでの販売(2021年10月から。2022年に6市場、2024年に10か国)[10] [17] [28] と、ブラックフライデーや1月の販促[11] 。アイルランドでは加盟店の購入価格を従来品と同額にそろえる5万ユーロの基金[16] [38] 。UEFAスポンサー枠を使った決勝戦での採用(2022年から。2025年は5つの決勝で207,570個)[10] [11] [20] [30] 。Notplaのアースショット賞の応募で主要な部分と位置づけられた実績[17] 。
③ 共同活動での担当 加盟店を選んで実証を実施し、加盟店と顧客の満足度を調査。ウェブショップでの販売と販促、各国への展開、UEFA決勝戦での採用を担った[7] [8] [10] [11] [17] 。
⑤ 確認できた成果 海藻コーティング容器を2022年に6市場、2023年に9市場、2024年に10か国の加盟店向けショップで販売し、2022年以降の累計は約400万個[17] [25] [28] 2022年に67万個超、2023年に63万個超の容器を販売(2023年の報告書は「12%増」と記載)[17] [25] 2021年の実証後の調査で、加盟店の90%、顧客の96%が包材に満足[8] 2022〜2025年のUEFA決勝戦で海藻容器を提供(2023年に約21万6,000個。2025年は5つの決勝で207,570個を配布する計画)[20] [25] [30] Notplaのアースショット賞受賞で、Just Eat Takeaway.comとの「試し、学び、広げる」協業が応募の主要な部分だった[17]
⑤ 今後の目標・期待 「英国と他の市場に広げ、世界中の顧客がプラスチック廃棄物なしに好きな持ち帰り料理を楽しめるようにする」(クラーク氏、2021年)[7] 政府による持ち帰り容器への規制の拡大と、代替包材の普及・低価格化への支援[21]
B Notpla(Notpla Limited) スタートアップ・ロンドン(ハックニー) ・ 公式サイト
2014年7月にSkipping Rocks Lab Limitedとして設立され、2019年7月にNotpla Limitedへ社名変更[36] 。ロドリゴ・ガルシア・ゴンザレス氏とピエール・パスリエ氏が創業し、海藻由来の食べられる液体容器「Ooho」で知られる[9] [14] 。2021年12月に1,000万ポンド、2024年9月に2,000万ポンドを調達[9] [27] 。2022年のアースショット賞受賞[13] 。2026年4月時点で累計4,000万個超の使い捨てプラスチックを置き換えたと発表[32] 。B Corp認証、特許10件(自社サイト)[33] [34] 。Horizon Europeの400万ユーロの研究事業でプラスチックを使わないコーヒーカップを開発中[39] 。
役割 海藻コーティング包材の開発・生産・供給
① ニーズ・シーズ 創業時の製品「Ooho」は海藻由来の膜で液体を包む食べられる容器で、2019年のロンドンマラソンで3万6,000個を配っています[14] 。パスリエ氏は「持ち帰りのソース小袋は、最も扱いが難しい使い捨てプラスチックの一つ」(編集部訳)と述べ[3] 、2020年の容器については「紙製の持ち帰り容器は合成添加物を含むか、プラスチックで内張りされている。この箱で本物のプラスチックフリーで自然に分解する選択肢を提供する」「Just Eatは持続可能な包材の大きな推進役」(編集部訳)としています[5] 。試作品を量産に移すには、加盟店と顧客に実際に使ってもらう場と、量産に見合う数量が必要でした。2021年12月の資金調達時に同氏は、「近く発表する商業提携と合わせ、海藻を包材の選択肢の地図に載せる好機」(編集部訳)と述べています[9] 。
② 提供リソース 海藻と植物の複合材を紙に塗る独自のコーティング技術(合成添加物なし、耐水・耐油)[5] [7] 。ソース小袋「Ooho」と、木と草のパルプの紙箱[3] [7] 。2022年の塗工板の増産[16] 。オランダ政府機関ILTの評価で、EU使い捨てプラスチック指令の定義上「プラスチックフリー」と認められたコーティング(2023年、Notpla発表)[23] [24] 。第三者レビュー済みのLCAと、家庭堆肥化・食品接触・リサイクル性などの認証(自社サイトの記載)[34] 。
③ 共同活動での担当 小袋と容器を設計・製造して実証に供給し、2022年に塗工板を増産。UEFA決勝戦や各国の加盟店向けの数量を供給した[5] [7] [16] [20] 。
⑤ 確認できた成果 2022年にJust Eat Takeaway.com向けに100万個超の持ち帰り容器を製造(アースショット賞の記載)[14] Just Eatとの実証・展開を含む応募で2022年のアースショット賞「廃棄物のない世界」部門を受賞し、100万ポンドを獲得[13] [17] 受賞翌月に商業的な問い合わせが40%増え、Bidfood、Bunzl、Levy(Compass Group)などの大口の取引先を獲得。Levyとは3年で約7,500万個の契約(2024年)[19] [26] 2021年に1,000万ポンド、2024年に2,000万ポンドを調達。置き換えた使い捨てプラスチックは2024年9月時点で累計1,600万個、2026年4月時点で4,000万個超[9] [27] [32]
⑤ 今後の目標・期待 「2年以内に年間1億個超の使い捨てプラスチックを置き換える」(2024年9月)[27] 2030年までに10億個のプラスチックを置き換える(自社サイト)[33]
4 共同活動③ 2018年3月、Just Eat UKは使い捨てプラスチック削減策の第一弾として、Skipping Rocks Lab(現Notpla)の海藻由来のソース小袋を加盟店で試すと発表しました[1] 。同年6月にサウスエンドの1店舗で6週間(6,000袋超)、10月にロンドンの10店舗で8週間の実証を行い、約4万個のプラスチック小袋を置き換えたと推計しています。顧客の92%が他のソースでも同じ包材を望みました[2] 。2019年11月には、Innovate UKの支援のもとユニリーバのHellmann'sが加わり、ロンドンの65店舗で4種のソースを海藻小袋で提供しています[3] [4] 。
容器への展開は2020年2月で、ロンドンの3店舗で海藻コーティングの紙箱を試し、両社は「持ち帰り業界で世界初の海藻内張りの箱」としています[5] [6] 。2021年3月には英国の11店舗で3週間・3万箱に拡大し、リサイクル可能で家庭の堆肥で4週間で分解するという仕様を示しました[7] 。実証後の調査では加盟店の90%、顧客の96%が満足したと同社は述べています[8] 。
2021年10月、Just Eatは英国の加盟店向けウェブショップで容器の販売を始め、2022年7月までに6万5,000箱を売っています[11] 。2022年にはオランダ・ドイツ・オーストリアに広げ[10] 、UEFAスポンサー枠を使ってヨーロッパリーグ決勝、女子チャンピオンズリーグ決勝、女子EURO決勝で容器を提供しました[10] [11] 。同年10月にはアイルランドで6市場目の販売を始め[12] 、2023年初めには加盟店の購入価格を従来品と同額にそろえる5万ユーロの基金を設けています[15] [16] [38] 。
年次報告書によれば、2022年に67万個超、2023年に63万個超の容器を販売し(9市場)、2024年には10か国で2022年以降の累計約400万個に達しています[17] [25] [28] 。UEFAでは2023年の決勝3試合向けに17万5,000個超を用意し[20] 、2025年の5つの決勝では207,570個を配布するとしています[30] 。Notplaは2022年12月、この展開を含む応募でアースショット賞を受賞しています[13] [17] 。
5 成果物と成果④⑤
成果物
海藻由来のソース小袋「Ooho」(2018〜2019年の実証。ケチャップ、BBQ、タルタル、ガーリック)[2] [3] 海藻と植物の複合材でコーティングした紙製持ち帰り容器(木と草のパルプ、合成添加物なし、耐水・耐油。リサイクル可能、家庭の堆肥で4〜6週間で分解)[7] [11] Just Eat Takeaway.comの加盟店向けウェブショップでの「Just Eat Notpla」容器の販売(2021年10月〜、2024年に10か国)[10] [12] [28] UEFA決勝戦での容器の提供(2022〜2025年)[10] [11] [20] [30] アイルランドの5万ユーロの価格差補填基金(2023年)[16] [38] アースショット賞ロゴ付きの容器(2023年6月に生産開始予定と発表)[19] 容器の数量は出典ごとに集計の範囲が異なります。Just Eat Takeaway.comの年次報告書は「販売」した容器数(2022年67万個超、2023年63万個超、2022年以降の累計約400万個)を示し[17] [25] [28] 、アースショット賞のページはNotplaが2022年にJust Eat Takeaway.com向けに「製造」した容器を100万個超としています[14] 。UEFA関連は、2023年6月の発表が2022年の3試合で8万5,000個[20] 、2023年の年次報告書が2022年に19万2,000個、2023年に約21万6,000個としており、集計の範囲は明示されていません[25] 。小袋の実証も、2019年5月の議会提出資料が約4万個[2] 、同年11月以降の発表が4万6,000個超としています[3] [5] 。Notpla全体の累計(2024年9月1,600万個、2026年4月4,000万個超)はJust Eat向け以外を含む自社発表です[27] [32] 。
未確認・留意点 2025年6月のUEFA決勝戦での提供の発表[30] 以降、Just Eat Takeaway.comによる加盟店向け販売の数量・市場の更新は確認できません。Notplaの2026年4月の年次の振り返りにJust Eatの記載はなく[32] 、自社サイトの説明に「Just Eatと組んで数百万個の容器を届けた」とあるのみです[33] 2025年のProsusによるJust Eat Takeaway.comの買収[29] [31] がこの共創に与えた影響は、公表情報では確認できません 2023年の年次報告書は「63万個超」を「2022年比12%増」としていますが、2022年の報告書の「67万個超」とは整合しません。原文の表記(630,000 thousand)に誤りがある可能性があります[17] [25] 「持ち帰り業界で世界初の海藻内張りの箱」[5] 、「EU指令上プラスチックフリーと認められた唯一の素材」[24] は当事者の表現で、第三者の検証は確認していません。オランダ政府機関ILTの評価の原資料も未確認です[23] 家庭堆肥化・食品接触・リサイクル性などの認証はNotplaの自社サイトの記載で[34] 、認証機関の登録は確認していません。同サイトは、封止に少量の工業用接着剤(ポリマー含有1%未満)を使うとしています[34] 加盟店の購入価格、Just Eat側の負担額、Notplaとの契約形態(独占の有無、出資の有無)は公表されていません。アイルランドの基金[16] [38] 以外の価格補填は確認できません Notplaのシリーズ A(1,000万ポンド)は報道では2021年12月ですが[9] 、同社サイトの沿革は2020年としています[35] 小袋「Ooho」のその後(Just Eatでの通常販売の有無)は確認できません。2021年3月の発表では「より広く展開する方法を検討中」とされています[7] Notplaが財団のサイトに提供した説明は、2024年までにJust Eatの10市場に展開し「2024年に350万個を置き換えた」としていますが、Just Eat向けに限った数量かどうかは明示されておらず、本文では使っていません[37]
6 組み合わせの意味編集部の考察 考察 この組み合わせの要点は、プラットフォーム企業が「場」を段階的に開いたことにあると考えられます。Just Eatは自社で容器を作らず、小袋では1店舗から65店舗へ、容器では3店舗から11店舗へと実証を広げ[2] [3] [6] [7] 、加盟店と顧客の反応を確かめてから[8] 、加盟店向けウェブショップという既存の販売網に載せました[11] 。ラバディア氏の「直接の管理下にない業務にも影響を与えられる」(編集部訳)という言葉のとおり[12] 、包材を選ぶのは加盟店であり、Just Eatの役割は選択肢を用意し、価格差の補填[16] [38] やUEFA決勝戦のような舞台[20] [30] で後押しすることだったとみられます。
Notplaにとっては、この展開が量産と信用の足場になったと推察できます。2022年の塗工板の増産[16] 、アースショット賞の応募での位置づけ[17] 、受賞後の問い合わせの急増とBidfood・Bunzl・Levyなどの大口顧客[19] [26] は、Just Eatとの実証と販売の実績を経て得られています。
一方、数量の面では道半ばとみられます。2022年以降の累計約400万個[28] は、英国だけで年間5億個とされる市場[7] に対して小さく、Just Eat自身も「様々な料理に合う確かな代替品を見つけるには、まだ長い道のりがある」(編集部訳)と述べています[18] 。同社の2023年の調査では、環境配慮型の包材に上乗せ料金を払う人は33%と2019年の50%から減っており[21] 、価格と規制が普及の速さを左右する可能性があります。
7 他社への応用編集部の考察 考察 この型は、多数の中小事業者を束ねるプラットフォームや流通業(デリバリー、フランチャイズ本部、ECモール、業務用卸など)と、新素材・新包材を持つスタートアップの共創に応用できると考えられます。プラットフォーム側は自社の調達を大きく変えずに実証の場・販売網・販促を提供でき、スタートアップは実際の使用条件での検証と、量産に見合う初期の数量を得られる可能性があります。
成立の条件としては、第一に、数店舗から始めて満足度を測り、段階ごとに規模を上げる設計が挙げられます[2] [3] [7] [8] 。第二に、実証で終わらせず、既存の販売網に製品を載せて加盟店が自分で買える状態にすることです[11] 。第三に、価格の差を埋める仕組みで、本事例ではアイルランドで従来品と同額にそろえる基金を設けています[16] [38] 。第四に、スポンサー契約などの「舞台」を使って、大規模な使用実績と認知を一度に作ることです[20] [30] 。
留意点として、包材の採用は最終的に加盟店の判断であり、プラットフォームが数量を約束できるわけではありません。本事例でも年間の販売は数十万個台で推移しています[17] [25] 。また、「プラスチックフリー」「堆肥化可能」といった主張は規制上の定義や認証に依存するため、第三者の評価[23] [34] を早い段階で確保しておくことが望ましいでしょう。
成立に必要な条件
数店舗から始めて加盟店と顧客の満足度を測り、段階ごとに規模を上げる実証の設計があること[2] [3] [7] [8] 実証後に、既存の販売網(加盟店向けショップ)に製品を載せ、加盟店が自分で購入できる状態にすること[11] [28] 従来品との価格差を埋める販促や補填の仕組みを用意すること[16] [38] スポンサー契約や大規模イベントを使い、大量の使用実績と認知を一度に作ること[20] [30] 「プラスチックフリー」「堆肥化可能」などの主張について、規制上の定義と第三者の評価を早い段階で確保すること[23] [34] 採用は加盟店の判断であることを前提に、数量の見通しを慎重に置くこと[17] [25] [28]