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共創事例
ドラッグストアの店舗とデータを実験場に、大学発の映像解析で低コストのAIカメラを製品化する
サツドラホールディングス株式会社(中堅企業) × AWL株式会社(スタートアップ) × 北海道大学 大学院情報科学研究院 調和系工学研究室(川村秀憲教授)(大学・研究機関)
日本 北海道札幌市 事業化 情報確認日 2026年10月13日
北海道でドラッグストア約200店を運営するサツドラホールディングス、北海道大学の川村秀憲教授が共同創業者に名を連ねるスタートアップAWL、同教授の調和系工学研究室の共創です。サツドラHDは2017年6月にAWL(当時AI TOKYO LAB)の株式51%を取得し、店舗・商品・POSデータ・人材を提供して、既設の防犯カメラをAI化するエッジ端末「AWLBOX」の開発を支えています[1] [3] 。2019年9月には経営陣への株式譲渡で連結から外して業務提携に切り替え[2] 、サツドラは2019年から本格導入して2024年10月時点で約100店舗に設置しています[22] 。AWLは2026年7月時点で国内小売を中心に16,000台超を展開しています[26] 。
目次
共創の構造 背景と各組織の狙い 提供資源と役割 共同活動 成果物と成果 組み合わせの意味 他社への応用 出典 関連事例
1 共創の構造図解:共創プロジェクトの形
ドラッグストアの店舗とデータを実験場に、大学発の映像解析で低コストのAIカメラを製品化する:共創の構造(サツドラHD、AWL、北海道大学) プロジェクト全体の段階 探索 PoC 共同開発 事業化 スケール Before| 起点 During| 共創 After| 成果 A サツドラHD 1 ニーズ・シーズ 約200店に入る費用で来店客の行動を 把握し、生産性と新事業につなげたい 2 提供リソース 出資、約200店の店舗と商品・POSデー タ・人材、実証の場、メーカーとの接点 A サツドラHDの成果 5 獲得成果 確認できた成果 100店舗に設置し入店者数を正確に把握。販 促メディアを共同開発。株式譲渡は特別損失 今後の目標・期待 防犯面(万引き抑止)への活用拡大 B AWL 1 ニーズ・シーズ AIをリアル空間に実装する製品を作る ためのデータと実証現場、資金がほしい 2 提供リソース エッジAI映像解析の技術と特許、 多国籍エンジニア、海外の開発拠点 B AWLの成果 5 獲得成果 確認できた成果 累計約45億円を調達、16,000台 超を展開、NEDO支援と理事長賞 今後の目標・期待 黒字化を優先しつつ、あらゆる デバイスへの搭載とASEAN展開 C 北海道大学 1 ニーズ・シーズ 研究を現場の課題から始め、社会実装と 北海道の起業エコシステムにつなげたい 2 提供リソース 構想と技術指導、研究室OBと留学生と いう人材、北大発認定と学内の開発拠点 C 北海道大学の成果 5 獲得成果 確認できた成果 研究室発ベンチャーがNEDO理事長 賞。留学生を含む多国籍の開発体制 今後の目標・期待 北大の資産を起業エコシステムにつなげる 3 共同活動 サツドラが店舗とデータを提供し、 北大発AWLが既設カメラをAI化する 端末を開発。2019年に子会社から 業務提携へ移り他チェーンへ展開 4 成果物 AWLBOX、AWL Lite、AWL Engine/Trainer、リテール コネクト、SATUDORA AI LAB
Before起点 A サツドラHD
① ニーズ・シーズ 約200店に入る費用で来店客の行動を把握し、生産性と新事業につなげたい
② 提供リソース 出資、約200店の店舗と商品・POSデータ・人材、実証の場、メーカーとの接点
B AWL
① ニーズ・シーズ AIをリアル空間に実装する製品を作るためのデータと実証現場、資金がほしい
② 提供リソース エッジAI映像解析の技術と特許、多国籍エンジニア、海外の開発拠点
C 北海道大学
① ニーズ・シーズ 研究を現場の課題から始め、社会実装と北海道の起業エコシステムにつなげたい
② 提供リソース 構想と技術指導、研究室OBと留学生という人材、北大発認定と学内の開発拠点
During共創 ③ 共同活動 サツドラが店舗とデータを提供し、北大発AWLが既設カメラをAI化する端末を開発。2019年に子会社から業務提携へ移り他チェーンへ展開
④ 成果物 AWLBOX、AWL Lite、AWL Engine/Trainer、リテールコネクト、SATUDORA AI LAB
After成果 A サツドラHDの成果
⑤ 獲得成果 確認できた成果 100店舗に設置し入店者数を正確に把握。販促メディアを共同開発。株式譲渡は特別損失 今後の目標・期待 防犯面(万引き抑止)への活用拡大
B AWLの成果
⑤ 獲得成果 確認できた成果 累計約45億円を調達、16,000台超を展開、NEDO支援と理事長賞 今後の目標・期待 黒字化を優先しつつ、あらゆるデバイスへの搭載とASEAN展開
C 北海道大学の成果
⑤ 獲得成果 確認できた成果 研究室発ベンチャーがNEDO理事長賞。留学生を含む多国籍の開発体制 今後の目標・期待 北大の資産を起業エコシステムにつなげる
プロジェクト全体の段階
探索 PoC 共同開発 事業化 スケール
①ニーズ・シーズ ②提供リソース ③共同活動 ④成果物 ⑤獲得成果。図の内容は本文と同じ出典に基づきます。
段階:事業化 サツドラでは2019年に本格導入が始まり、2024年10月時点で約200店のうち100店舗にAIカメラが設置されています
[22] 。AWLは2026年7月時点で国内小売を中心に16,000台超のエッジAIカメラを展開し、サツドラを運用実績として挙げています
[26] 。一方、AWLは未上場で
[25] 、2024年時点では事業拡大より黒字化を優先する方針を示しており
[19] 、製品は商用化されているものの収益化は途上とみて、事業化の段階と判断しています。サツドラHD側は2026年8月に経営陣参加のMBOによる公開買付けが成立し、非公開化の手続きが進んでいます
[30] [31] 。AWLとの提携への影響は公表されていません(2026年10月時点)。
2 背景と各組織の狙いサツドラHDは、1972年に札幌で1号店を出したサッポロドラッグストアーの持株会社です[4] [5] 。2017年には、AI・IoTなどの先進技術で生産性向上と新たなビジネスモデルの創出を図ることを成長戦略としていました[1] 。店舗の分析はポイントカード頼みで、家族での共用によりデータが混乱する課題があったと報じられています[22] 。
AWLの創業者・北出宗治氏は、2015年にサツドラの富山浩樹社長の紹介で北海道大学の川村秀憲教授と出会い、AIをリアル空間に実装する構想に共感して、2016年6月にAI TOKYO LAB(現AWL)を設立しています[19] [24] 。川村教授は現場の課題を起点に研究し、複数のベンチャーを立ち上げてきた研究者で[33] 、AWLでは共同創業者・上級技術顧問を務め、CTOの土田安紘氏も同研究室の修了生です[12] 。
設立1年後の2017年6月、サツドラHDはAWLの株式51%を取得して子会社にしました[1] [27] 。AWLによれば、その理由は事業に必要なデータと実証現場を得るためで、他社製のAIカメラを200店舗に広げるには費用が高すぎるという課題から低コストのAIカメラの検討が始まり、エッジで映像を解析する方式に行き着いています[19] 。
3 提供資源と役割
A サツドラホールディングス株式会社 中堅企業・北海道札幌市東区(2017年当時は札幌市北区) ・ 公式サイト
1972年に札幌で1号店を出したサッポロドラッグストアーの持株会社(2016年8月設立)[4] [5] 。2026年5月期は196店舗、従業員1,099人、売上高1,005億円[28] 。2017年6月から2019年9月までAWLの親会社(議決権51〜51.6%)で、以後は14.8%を保有して業務提携を続けている[1] [2] 。2026年8月に経営陣参加のMBOによる公開買付けが成立し、非公開化の手続き中[29] [30] [31] 。
役割 店舗・データの提供、要件設定、出資、最初の顧客
① ニーズ・シーズ ポイントカードに頼る分析では、家族での共用などでデータが混乱し、店舗ごとの正確な入店者数や「購入しなかった客」の行動を知りたいという課題がありました[22] 。2017年の子会社化の発表では、AI・IoTなどの先進技術を経営に取り込み、生産性の向上と新たなビジネスモデルの創出を図ることを成長戦略に位置づけています[1] 。AWLによれば、他社製のAIカメラを200店舗に広げるには費用が高すぎることが、低コストのAIカメラを検討する出発点でした[19] 。
② 提供リソース 2017年6月の株式51%取得による資本[1] と、店舗・商品・データ・顧客・POSシステム・マーケティングノウハウ・人材[3] 。実店舗での実証の場(北8条店など)[6] [11] 、店舗データ・空間・メーカーとの接点[5] 。2021年のシリーズBにも出資[7] 。富山浩樹社長はAWLの会長(2017年)、のちに社外取締役を務める[1] [13] 。
③ 共同活動での担当 店舗とデータを提供して実証開発の場となり、「SATUDORA AI LAB」として店内AIカメラとPOSのデータ分析をメーカーに提供[3] [13] 。2019年に経営陣へ株式を譲渡して独立させ、業務提携に切り替えた[2] 。2020年以降はサイバーエージェントを加えたOMOの実証とリテールメディアの開発を担う[5] [14] 。
⑤ 確認できた成果 2019年に本格導入を始め、2024年10月時点で約200店のうち100店舗にAIカメラを設置。店舗ごとの正確な入店者数を把握できるようになり、全国から週2〜3社の視察が訪れている[22] AIカメラとPOSデータを使う販促メディア「Satudora InStore Ads」を共同開発し、OMOプラットフォーム「リテールコネクト」として2022年2月から小売事業者へ提供[14] 2019年の株式譲渡で特別損失88百万円を計上する見込みとした一方、14.8%の株式を保有し続け、2021年のシリーズBにも出資[2] [7]
⑤ 今後の目標・期待 販売戦略に加え、万引きを抑止する売り場づくりなど防犯面にも力を入れる方針(2024年10月時点)[22]
B AWL株式会社 スタートアップ・東京都品川区・北海道札幌市東区(二本社制) ・ 公式サイト
2016年6月設立(旧AI TOKYO LAB)。北海道大学発認定ベンチャーで、川村秀憲教授が共同創業者・上級技術顧問[12] [19] 。従業員91名(2023年10月時点、連結)、エンジニアの外国人比率87%で、ベトナム・インドに開発拠点を持つ[23] [26] 。累計調達額は約45億円(2024年5月時点)[18] 。未上場[25] 。
役割 エッジAI端末の開発・製品化
① ニーズ・シーズ AIをリアル空間に実装する構想を事業にするため2016年に会社を設立しましたが、事業に必要なデータと実証現場が必要で、それを得るために2017年にサツドラHDの子会社になっています[19] 。当初は受託開発で黒字を保ち、2019年に受託事業を売却して自社製品の研究開発に資金を振り向けました[19] [24] 。
② 提供リソース エッジAIによる映像解析技術(特許第6644231号)と、既設カメラをAI化する端末AWLBOX[7] [12] 。17〜20カ国から集めたエンジニア(外国人比率87%)とベトナム・インドの開発拠点[7] [23] 。インド工科大学ボンベイ校との共同研究で築いたAWL Engineの基礎技術[15] 。
③ 共同活動での担当 サツドラの店舗でデータ取得と実証開発を行い、AWLBOX・AWL Liteを開発[6] [13] 。100店舗への展開で生じた精度劣化の課題からAWL Engine・AWL Trainerを開発[17] [24] 。2019年の経営陣による株式取得後は独立企業として他チェーン・他業種へ展開[2] [25] 。
⑤ 確認できた成果 シリーズA 8.1億円(2020年)、シリーズB 20億円(2021年、楽天キャピタル主導)、2024年の4.7億円を含め累計約45億円を調達[6] [7] [18] 2026年7月時点で国内小売を中心に16,000台超のエッジAIカメラを展開。全国規模の飲食チェーン全店への顔認証導入など、小売以外にも広がる[25] [26] NEDOディープテック・スタートアップ支援事業に採択(2024〜2025年度)され、大学発ベンチャー表彰2024でNEDO理事長賞を受賞[20] [21] セーフィー(2022年)など、映像プラットフォーム企業との資本業務提携に広がる[16]
⑤ 今後の目標・期待 直近は事業拡大より黒字化を優先。5〜10年後にあらゆるデバイスにAWLを搭載し、エッジAIのグローバル標準仕様の確立を目指す[19] インドネシア・ベトナムなどASEAN諸国での現地パートナーとの研究開発・事業開発[20]
C 北海道大学 大学院情報科学研究院 調和系工学研究室(川村秀憲教授) 大学・研究機関・北海道札幌市北区 ・ 公式サイト
人間とAIの協調を研究する研究室。川村教授は2000年に博士号を取得して北大に着任し、2016年に教授。「社会の現場の課題」を起点に研究し、複数のベンチャーを自ら立ち上げている[33] 。AWLでは共同創業者・上級技術顧問、のちに社外取締役[12] [23] 。大学発ベンチャー表彰2024ではAWLの支援大学として北海道大学情報科学研究院が記載されている[21] 。
役割 技術の源泉、共同創業者、人材供給
① ニーズ・シーズ 川村教授は、人工知能の技術ありきではなく社会の現場の課題への貢献を起点に研究し、研究の先の社会実装まで自ら取り組むとしています[33] 。北海道と北大の資産を起業のエコシステムにすることも掲げています[33] 。
② 提供リソース AIをリアル空間に実装する構想と技術指導(川村教授は共同創業者・上級技術顧問)[12] [19] [24] 。研究室の修了生(CTO土田安紘氏は2001年度修士課程修了)と、北大の留学生という採用源[12] [19] 。北大発認定ベンチャーという位置づけと、北大キャンパス内のインキュベーション施設にある開発拠点AI HOKKAIDO LAB[10] [12] 。
③ 共同活動での担当 川村教授が共同創業者・上級技術顧問として技術面を支え、AI処理を特化させた独自ハードウェアで現場に導入できるコストを実現したと説明している[11] [12] 。研究室OBがCTOとして開発を率い、留学生の採用で多国籍の開発体制を作った[12] [19] 。
⑤ 確認できた成果 研究室発のAWLが大学発ベンチャー表彰2024でNEDO理事長賞を受賞(支援大学:北海道大学情報科学研究院)[21] 北大の留学生、ハノイ工科大学、インド工科大学などからの採用で20カ国以上の開発体制[19]
⑤ 今後の目標・期待 北海道と北大の資産を起業のエコシステムにし、ロールモデルを起点に仲間を増やす(川村教授)[33]
4 共同活動③ 2017年6月の資本参加以降、両社はサツドラの店舗・商品・顧客・POSデータ・人材などを使ってAIカメラソリューションを開発し、サツドラHDは「SATUDORA AI LAB」として店内のAIカメラとPOSのデータ分析をメーカーに提供する事業も始めています[2] [3] 。AWLは札幌・東京・ハノイに10カ国以上の人材を集め[4] [12] 、2019年2月には受託開発事業を売却し、約5億円の特別利益を自社製品の研究開発に充てています[2] [24] 。
開発したのは、既設の防犯カメラをエッジ端末に接続し、来店客の属性、棚前での滞在時間、商品への接触、従業員の作業を分析する「AWLBOX」です。映像はクラウドに送らず、匿名データだけを保存します[6] [7] 。既存のIPカメラ10,500機種(2021年5月時点)に対応し、導入費用は類似サービスの約10分の1とされています[7] [8] 。一方、1店舗目で機能したAIモデルが100店舗に広げると店舗環境の違いで動作しなくなり、環境変化に自動で対応する「AWL Engine」「AWL Trainer」の開発に注力しています[17] [24] 。
2019年9月、サツドラHDは、AWLのAIカメラが他社でも実証段階に入り企業としての独立性が求められるとして、株式の一部を北出社長ら経営陣4名に譲渡し(議決権51.6%から14.8%へ)、連結から外すと同時に業務提携契約を結んでいます[2] [27] 。2020年2月にはサイバーエージェントを加えた3社で、店舗データ・AIカメラのデータ・広告ノウハウを持ち寄るOMOの実証を始め[5] 、2022年2月に「リテールコネクト」として小売事業者へ提供しています[14] 。
資金面では、2021年のシリーズB(20億円、楽天キャピタル主導)にサツドラHDと中国電力などが参加し[7] 、累計調達額は約45億円です[18] 。2024年度にはNEDOのディープテック・スタートアップ支援事業に採択されています[20] [21] 。
5 成果物と成果④⑤
成果物
既設の防犯カメラをAI化するエッジ端末「AWLBOX」(2020年2月販売開始。対応IPカメラは2021年5月時点で10,500機種)[7] [11] サイネージ・タブレット向け「AWL Lite」と新型コロナ対策機能(2020年4月。初期費用6.5万円〜、月額4,000円)[9] 店舗環境の違いによる精度劣化に対応する「AWL Engine」「AWL Trainer」[17] [20] OMOプラットフォーム「リテールコネクト」と販促メディア「Satudora InStore Ads」(2022年2月提供開始)[14] サツドラHDのオープンイノベーション事業「SATUDORA AI LAB」(店内AIカメラとPOSデータの分析をメーカーに提供)[3] サツドラ店舗での導入効果(売上、生産性、万引き抑止など)の数値は公表されていません。「100店舗」は2024年10月の報道値で[22] 、サツドラ店舗に設置された端末の台数は不明です。AWLの「16,000台超」は同社の発表値で、顧客別の内訳はありません[26] 。AWLの業績はサツドラHDの2019年の開示に2019年1月期まで(売上高2億4,590万円、当期純利益21万円)が記載されているのみで[2] 、以後は非公開です。
未確認・留意点 資本関係は、2017年6月〜2019年9月がサツドラHDの連結子会社(議決権51〜51.6%)、2019年9月以降は14.8%の保有と業務提携です[1] [2] 。2021年のシリーズBなどで持株比率は変わった可能性がありますが、現在の比率は未確認です。サツドラHDの有価証券報告書は持分法適用関連会社1社の存在を記すのみで、名称は記載していません[28] 富山浩樹氏は2017年7月にAWL(当時AI TOKYO LAB)の代表取締役会長に就く予定とされ[1] 、2021年と2024年の資料では社外取締役として記載されています[13] [23] 。2026年時点の役職は未確認です AWLによる「他社製のAIカメラを200店舗に広げるには高すぎた」という説明[19] と、サツドラが2018年10月から1店舗に96台を設置したパナソニックのカメラ(1台月額1万円程度、費用はメーカー等15社のパートナーで負担)の実証[32] との関係は、出典で結び付けられておらず未確認です 川村教授は共同創業者・上級技術顧問とされていますが[12] [24] 、北海道大学そのものの出資や知的財産の実施許諾は確認できません。「北大発認定ベンチャー」の認定時期も未確認です サツドラHDは2026年8月にMBOによる公開買付けが成立し、2026年12月ごろの株式併合を経て上場廃止となる見込みです[29] [30] [31] 。AWLとの提携や株式保有への影響は公表されていません 「SATUDORA AI LAB」の成果は「着実な成果」とされるのみで数値はなく[3] 、2020年以降の活動状況は未確認です 出典[8] は[7] のプレスリリースの日本語版(PR TIMES配信)の転載で、独立した裏付けではありません。[12] は総務省サイトに掲載された川村教授の講演資料で、講演の場と日付は未確認です
6 組み合わせの意味編集部の考察 考察 この組み合わせの要点は、小売の現場が「製品要件」を決めた点にあると考えられます。約200店に入る費用、既設の防犯カメラの活用、映像をクラウドに送らない設計は、サツドラの店舗数と運用の条件から導かれたものです[7] [19] 。サツドラは要件の提示者であり、実証の場と最初の顧客でもありました[3] [22] 。1店舗で動いたAIモデルが100店舗では動かないという課題が見つかったこと自体が店舗網を持つ相手と組んだ成果で、その対応がAWL EngineとなりNEDOの支援対象の基盤技術に育ったと推察できます[17] [20] [24] 。
もう一つの要点は、資本関係を「濃くしてから薄める」設計です。サツドラHDは設立1年のAWLを子会社にしてデータと現場を渡し[1] [19] 、AIカメラが他社で実証段階に入ると、独立性が必要だとして経営陣への株式譲渡で独立させました[2] 。特別損失を計上しつつ14.8%を持ち続け、シリーズBにも参加しています[2] [7] 。親会社の立場を手放した結果、AWLは他の小売・飲食・製造業へ広がり[25] [26] 、サツドラは独立企業の技術を使い続ける関係になったとみられます。
大学の役割は、研究成果の移転というより、構想と人材の供給源であったと考えられます。川村教授の構想が創業の起点となり[19] [24] 、研究室OBがCTOを務め、北大の留学生が多国籍の開発体制の入口になっています[12] [19] 。小売の現場・研究室・スタートアップが札幌で近い距離にあったことが、この循環を支えた可能性があります。
7 他社への応用編集部の考察 考察 この型は、多店舗を持つチェーン(小売、飲食、物流拠点、介護施設など)と、現場実装型のスタートアップ、大学の研究室の共創に応用できると考えられます。チェーン側は、スタートアップが自前で持てない店舗・データ・運用条件を提供し、見返りに自社に合った製品と、他社展開で磨かれ続ける技術を得られる可能性があります。
成立の条件としては、第一に、店舗を提供する側が「いくらなら全店に入るか」といった価格と運用の要件を早い段階で示し、最初の顧客になることです[19] [22] 。第二に、映像と個人情報の扱い方針を最初に決めておくことです[7] [22] 。第三に、出資や子会社化で始める場合は、他社展開が必要になる段階で独立させる出口を想定しておくことです[2] 。第四に、1店舗の実証と全店展開は別の問題で、環境差への対応に研究開発の時間と資金が要ることを見込むことです[24] 。
一方、本事例ではサツドラ側の定量的な効果が公表されておらず[22] 、投資回収は外部からは判断できません。株式の譲渡は特別損失を伴うこともあり[2] 、出資と製品の共創は分けて評価することが望ましいでしょう。チェーン側の経営体制が変わるとき(本事例では2026年のMBO[29] )の提携の続け方も、契約で考えておく必要があると考えられます。
成立に必要な条件
店舗を提供する側が、全店導入できる価格や既存設備の活用といった要件を早い段階で示し、最初の顧客になること[19] [22] 映像と個人情報の扱い方針(映像を保存しない、匿名データのみを使う)を最初に決めておくこと[7] [22] 子会社化で始める場合は、他社展開が必要になる段階で独立させる出口(株式譲渡と業務提携への切り替え)を想定しておくこと[2] 1店舗での実証と全店展開を別の問題と捉え、環境差への対応に研究開発の時間と資金を見込むこと[17] [24] 大学の研究室が、構想・技術指導に加えてOB・留学生の人材と学内の拠点で関わること[12] [19] 出資と製品の共創を分けて評価し、チェーン側の経営体制が変わる場合の提携の継続を契約で考えておくこと[2] [29]