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共創事例
製材会社の発電ノウハウと組合の集荷網に市が出資し、地域の木で1万kW発電所を官民で回す
真庭市(自治体・公的機関) × 銘建工業株式会社(中堅企業) × 真庭木材事業協同組合(中小企業)
日本岡山県真庭市事業化枠組み バイオマス産業都市(2014年選定)、脱炭素先行地域(2022年選定)情報確認日 2026年10月13日
集成材メーカーの銘建工業、真庭市、市内の製材所約30社の副産物を集める真庭木材事業協同組合などが共同出資した真庭バイオマス発電株式会社が、2015年4月から出力1万kWの木質バイオマス発電所を運転しています[16][21]。銘建工業は1984年から続けてきた自家発電の経験と製材端材を、組合は林地残材や樹皮を集めてチップにする集積基地を、市は出資と推進協議会の運営、公共施設での電力利用を持ち寄っています[8][16][19]。山林所有者への燃料代の還元は2024年6月時点で累計約3.6億円に達する一方[5]、周辺の発電所との燃料の奪い合いで、第2発電所の構想は縮小しています[13][21]。
1共創の構造図解:共創プロジェクトの形
Before起点
A真庭市
① ニーズ・シーズ産廃処分されていた端材や林地残材を資源に変え、林業・木材産業を立て直したい
② 提供リソース出資3,000万円、推進協議会と構想づくり、基金14億円の活用、公共施設での電力購入
B銘建工業
① ニーズ・シーズ樹皮や端材を含めて木を使い切り、自社の発電経験を地域の産業に広げたい
② 提供リソース出資1.64億円(66%)、30年の自家発電ノウハウ、一般木材の約半分を供給、社長を派遣
C真庭木材事業協同組合
① ニーズ・シーズ製材所の副産物と林地残材を集めてチップにし、安定した売り先を確保したい
② 提供リソース集積基地とチップ加工設備、製材所約30社の集荷網、発電所の燃料の約4割を供給
During共創
③ 共同活動市の協議会で構想し、2013年に9団体が出資して発電会社を設立。組合の集積基地と協議会の証明・精算の仕組みで燃料を集め、2015年に運転開始
④ 成果物出資9団体の発電会社と1万kW発電所、協議会の証明・精算の仕組み、集積基地第2工場、山主への還元
After成果
A真庭市の成果
⑤ 獲得成果確認できた成果売上約24.5億円・雇用約50人(市推計)、付加価値額52億円増、自給率11.6%→約32%今後の目標・期待第2発電所の建設(10MW級から2MWへ縮小方針)、2030年に自給率100%
B銘建工業の成果
⑤ 獲得成果確認できた成果発電会社の売上約23億円・稼働率約95%、端材・樹皮の有価化、自社の第2発電所(4,990kW)今後の目標・期待FIT終了後の運営継続と運営コストの削減
C真庭木材事業協同組合の成果
⑤ 獲得成果確認できた成果発電所と年4.4万トンの契約、年間利益約6,000万円(2023年)、製材所約30社の利益向上今後の目標・期待広葉樹を含む燃料の確保(市と連携)
プロジェクト全体の段階
探索PoC共同開発事業化スケール
①ニーズ・シーズ ②提供リソース ③共同活動 ④成果物 ⑤獲得成果。図の内容は本文と同じ出典に基づきます。
段階:事業化 2015年4月の運転開始から11年が経ち、売上約23〜24億円、燃料購入約14億円(2018〜2020年の市推計)の規模で稼働が続いています
[1][7][18]。市の2025年度の中間評価報告は、木質燃料が「大きな増減なく安定供給」されているとしています
[15]。一方、2022年の脱炭素先行地域の提案で掲げた第2木質バイオマス発電所(10,000kW級、2026年稼働目標)は、燃料調達の見通しが立たず2MWへの縮小方針となり、2024年度の報告でも「困難な状況が続いている」とされています
[11][13][14]。共創の成果物である発電所は事業として定着している一方、規模の拡大には至っていないため、事業化の段階と判断しています(2026年10月時点)。
2背景と各組織の狙い
真庭市は2005年に9町村が合併して誕生し、市域の約8割が森林で、木材・木製品製造業が製造品出荷額の約3割を占めます[9][32]。しかし林業・製材業は長く不振で、製材端材は産業廃棄物として有償で処分され、間伐材や林地残材は山に残されていました[1][28]。1993年に地元の若手経営者が「21世紀の真庭塾」を立ち上げ、木質バイオマスの活用を議論してきました[24][29][32]。塾長を務めた銘建工業の中島浩一郎氏は、1984年に175kW、1998年に1,950kWの発電設備を自社工場に設け、端材で自家発電を続けてきました[16][29]。
2006年に市はバイオマスタウン構想を公表し、2009年には真庭木材事業協同組合が林地残材や樹皮を集めてチップにする集積基地を開設しました[20][32]。2012年7月のFIT施行で未利用材による発電の買取価格が1kWh32円(税抜)と定められ、1万kWの発電所を回す事業の見通しが立ちました[2][21]。
三者の狙いは、市が処分費のかかる資源を対価に変えて林業を立て直すこと、銘建工業が自社の発電経験を地域に広げて木を使い切ること、組合がチップの安定した売り先を確保することでした[18][19][21][29]。
3提供資源と役割
A真庭市 自治体・公的機関・岡山県真庭市 ・ 公式サイト
2005年に9町村が合併して誕生した岡山県北部の市。市域の約8割が森林で、木材・木製品製造業が製造品出荷額の約3割を占めます[9][32]。2006年にバイオマスタウン、2014年にバイオマス産業都市、2022年に脱炭素先行地域に選定されています[11][32]。
- 役割
- 出資、推進協議会の運営、公共施設での電力利用
- ① ニーズ・シーズ
- 林業・製材業の不振で、製材端材は産業廃棄物として有償で処分され、間伐材や林地残材は山に残されていました[1][28]。市は未利用の木質資源を地域内で循環させ、処分費を資源の対価に変えて林業・木材産業を立て直すとともに、エネルギー自給率を高めることを狙いとしています[2][9]。
- ② 提供リソース
- 発電会社への出資3,000万円(資本金2億5,000万円)[1]。2012年8月に発足した真庭バイオマス発電事業推進協議会と、2014年の真庭バイオマス産業杜市構想による構想づくり[2]。総事業費41億円のうち14億円に充てた森林整備加速化・林業再生基金の活用[1][6]。2016年4月からは地域の小売電気事業者を通じて市庁舎・小中学校などの公共施設で発電所の電力を購入し、需要側にも立っています[8][28]。
- ③ 共同活動での担当
- FIT施行直後に実現可能性を調べて推進協議会を設け、木質資源安定供給協議会にオブザーバーとして参加。発電所の電力を公共施設約100か所で使い、燃料確保のために広葉樹や早生樹の実証を進めている[2][24][28]。
- ⑤ 確認できた成果
- 市の推計で、発電所稼働1年間の売上約24.5億円、燃料購入約14.2億円、雇用約50人(発電所15人、林業・木材業35人)[7][8]
- 産業連関表の分析で、2012年と2017年の比較で市内バイオマス産業の付加価値額が52億円増加(市資料)[9]
- 市のエネルギー自給率は11.6%から約32%へ(2017年度末)[8]
- 木質バイオマス発電所によるCO2削減量は年約12万t(2023年度・2024年度、市の脱炭素先行地域の指標)[14][15]
- ⑤ 今後の目標・期待
- 第2木質バイオマス発電所の建設(2022年の提案時は10,000kW級・2026年稼働目標。2024年度の報告で2MWへ縮小方針)[11][13]
- 2030年の地域エネルギー自給率100%(市担当者、2025年)[28]
B銘建工業株式会社 中堅企業・岡山県真庭市勝山 ・ 公式サイト
1923年創業の集成材・CLTメーカー。資本金3,780万円、従業員371名(2026年7月)、売上高305億円(2025年)[17]。1984年にエネルギーセンター(175kW)、1998年に本社工場のエコ発電所(1,950kW)を設け、製材端材で自家発電を続けてきました[16]。真庭バイオマス発電株式会社の筆頭出資者で、同社社長の中島浩一郎氏が発電会社の代表も務めています[16][18]。2017年12月時点の従業員は286名で[29]、共創開始時の規模から中堅企業として分類しています。
- 役割
- 筆頭出資、発電ノウハウ、端材の供給
- ① ニーズ・シーズ
- 製材・集成材の工程で出る樹皮や端材は、自社で使い切れない分の処分や売却に手間がかかっていました[22][29]。中島氏は「木の全てを使いきるのが、木材加工業の本来あるべき姿」と述べ、自社の発電経験を地域に広げて木材産業の厚みを増すことを狙いとしています[21][29]。
- ② 提供リソース
- 出資1億6,400万円(資本金の66%。研究ノートの引用値)[24]。1984年からの自家発電で蓄えた、含水率の違うチップを混ぜて燃やす運転ノウハウ[16][27]。製材端材・プレーナー屑などの一般木材で、2018年度の一般木材供給の46.5%を占めています[22]。中島氏が発電会社の社長として事業を率いています[16][18]。
- ③ 共同活動での担当
- 発電会社の筆頭株主・代表として設立と運営を担い、製材工程の端材を燃料として供給。隣接するCLT工場のかんな屑を発電所へ送り、発電所の蒸気を木材乾燥に使う連携も行っている[8][16][22]。
- ⑤ 確認できた成果
- 発電会社の売上は2018年度で約23億円、稼働率は計画70%に対して約95%(中島氏の寄稿)[18]
- 製材業者にとって処分費がかかっていた端材・樹皮が有価になり、2018年度の燃料購入による市内への経済効果は約15.5億円(京都大学の研究推計)[22]
- 2021年8月に本社工場で第2エコ発電所(4,990kW)を稼働し、自社の発電を拡大[16][25]
- ⑤ 今後の目標・期待
- FIT終了後も運営を続けられる体制と、運営コストの削減(中島氏、2020年)[18]
C真庭木材事業協同組合 中小企業・岡山県真庭市上河内 ・ 公式サイト
1950年に真庭郡木材事業協同組合として設立された事業協同組合(2007年に現名称)。製紙用チップやオガの集荷・販売を行ってきました[20]。真庭バイオマス集積基地(2009年に第1工場、2014年に第2工場)を運営し、地域の製材所約30社の副産物や林地残材を買い取って月約6,000トンの木質チップを製造しています[19][20][21]。組合の出資金・組合員数は公開情報で確認できていません。
- 役割
- 出資、燃料の集荷とチップ加工
- ① ニーズ・シーズ
- 組合員の製材所では樹皮や端材が廃棄物で、利用率の低い林地残材は山に残されていました[2][22]。これらを集めてチップにし、燃料として安定した売り先を確保することが狙いです[19][21]。
- ② 提供リソース
- 製材所約30社の共同出資で設けた真庭バイオマス集積基地と、チッパー・乾燥ヤード[21]。約30社の製材所と林業事業者からの集荷網、山林班による直接収集、一般家庭からの枝葉の買取[19]。発電所の燃料の約4割を供給し、未利用材を1トン約5,000円で買い取って乾燥・チップ化しています[18][19][21]。
- ③ 共同活動での担当
- 発電会社に出資し、集積基地で需給調整と燃料の集荷・乾燥・チップ化を担当。2018年度は一般木材供給の23.9%を占め、余剰チップは県南・鳥取・兵庫の発電所にも販売している[19][22][25]。
- ⑤ 確認できた成果
- 集積基地は発電所と1日約200トン・年間約44,000トンの契約で納入し、年間利益は約6,000万円(信金中金の視察報告、2023年)[21]
- 山に捨てられていた枝葉や樹皮が売れるようになり、素材業者約20社・製材所約30社の利益が向上(市資料)[1][10]
- ⑤ 今後の目標・期待
4共同活動③
2012年8月、真庭市は実現可能性の調査を経て真庭バイオマス発電事業推進協議会を立ち上げました[2][24]。2013年2月4日、市と林業・木材産業の事業者など9団体の出資で真庭バイオマス発電株式会社が設立されています[2]。資本金は2億5,000万円で、市の出資は3,000万円[1]、銘建工業の出資は1億6,400万円(66%)とされ[24]、代表には銘建工業の中島浩一郎社長が就きました[16][18]。総事業費は41億円で、うち14億円は林野庁の森林整備加速化・林業再生基金を活用しています[1][6]。
建設に先立つ2013年3月、林業・木材関係者21団体で木質資源安定供給協議会を設立し、県と市はオブザーバーとして加わりました[2]。協議会は燃料の供給計画量を定め、各事業者と取引協定を結び、搬入ごとに伐採・加工情報を記した情報カードとQRコードで産地証明と精算を管理しています[4][22][23]。発電所は協議会から1トン1万円で燃料を購入し、協議会はチップ供給業者に9,000円を支払い、手数料500円を差し引いた残りの500円を山林所有者に還元します[23]。
燃料の集荷は、組合が2009年から運営する真庭バイオマス集積基地が中心を担い、2014年に第2工場(約2.4ha)を設けました[20][33]。集積基地は未利用材を1トン約5,000円で買い取り、乾燥させてチップにし、発電所の燃料の約4割を供給しています[18][19][21]。製材端材などの一般木材は、2018年度に銘建工業が46.5%、組合が23.9%を供給しました[22]。
発電所は2015年4月に運転を開始しました[16]。計画は年14.8万トンの燃料で稼働率70%でしたが、含水率の低い燃料が供給されたため、年10〜11万トンで稼働率約95%に達しています[3][18][22]。含水率を測って種類の異なるチップを混ぜる運転には、木材加工会社のノウハウが生かされています[27]。電力は全量をFITで売電し、2016年4月からは小売電気事業者の真庭バイオエネルギーが一部を買い戻して市の公共施設に供給しています[8][28]。
5成果物と成果④⑤
成果物
- 真庭バイオマス発電株式会社(2013年2月設立、資本金2億5,000万円、9団体の出資。のちの市資料では10団体)[1][2][24]
- 真庭バイオマス発電所(出力10,000kW、総事業費41億円、日本政策金融公庫の融資5億円、2015年4月運転開始)[1][16][26]
- 木質資源安定供給協議会(2013年3月設立)と、情報カード・QRコードによる産地証明・精算の仕組み[2][4][23]
- 真庭バイオマス集積基地 第2工場(2014年、約2.4ha)[20][33]
- 山林所有者への燃料代の還元(500円/t、2021年4月から550円/t。累計約3.6億円、2024年6月時点)[5][6]
- 市の公共施設への電力供給(2016年4月〜、真庭バイオエネルギー経由)[8]
売上・燃料購入費・雇用などの数値は真庭市の資料に基づく推計値で、発電会社の決算は公開されていません。燃料利用量は計画14.8万t/年に対し、2015〜2018年度は10.5〜11.1万t[22]、2023年度は未利用材85,000t・一般木材28,000tです[5]。付加価値額52億円増は市の産業連関表の分析(2012年と2017年)によるもので[9]、三井物産の記事では「生産額」と表現されています[28]。CO2削減量は市の脱炭素先行地域の指標で、年度により10.7万〜12.6万tと変動しています[12][13][14][15]。
未確認・留意点- 出資者の内訳は未確認です。市の出資3,000万円は市資料[1]、銘建工業の1億6,400万円(66%)は研究ノートが笹野(2014)を引用した値で[24]、残る団体の名称と比率、設立時の9団体[2]が後の市資料で10団体[1][7]になった経緯は確認できていません
- 発電会社の決算(売上・利益)は公開されておらず、本ページの売上・燃料購入費は市の推計です[1][7]
- 2025年度以降の発電量・燃料量の実数は未確認で、市の中間評価報告は「大きな増減なく安定供給」とのみ記しています[15]
- 第2発電所は2024年度の報告で2MWへの縮小方針とされ[13][14]、2025年度の中間評価報告には記述がありません[15]。2026年10月時点の規模・候補地・事業者は未確認です
- 2022年秋以降、兵庫県の業者による高値買取で集積基地の木材が流出し、供給不足が生じたと信金中金の報告は記しています[21]。市の報告でも2022年度は燃料調達が不安定で発電量が落ち込んだ時期があったとされています[13]
- FIT(20年)の終了後の運営方針は公表されていません[6][18]
- 2025年8月に市が51%を出資する地域新電力「まにわっと電力」が設立され、真庭木材事業協同組合も5%を出資していますが[30][31]、真庭バイオマス発電所との電力取引の有無は未確認です
- 真庭バイオエネルギーは銘建工業の会社概要に関係会社として記載されていますが[17]、出資関係の詳細は未確認です
6組み合わせの意味編集部の考察
考察この共創の要点は、発電所という設備より先に、燃料を集める仕組みを作ったことにあると考えられます。建設前に木質資源安定供給協議会を設け、供給計画と取引協定、QRコードによる証明と精算を整えたことで[2][23]、十数社の供給者から年10万トン超の燃料が集まり、計画70%の稼働率を約95%に引き上げています[18]。未利用材と一般木材でFITの買取価格が異なるため、産地証明が収益を左右する点も、この仕組みを必要とした背景とみられます[21]。
もう一つの要点は、三者の資源が補い合っていることです。銘建工業は30年の自家発電で得た運転ノウハウと端材、資本の過半を出し、組合は製材所約30社から集めるチップ加工の拠点を持ち、市は推進協議会の運営、基金の活用、公共施設での電力購入を担いました[1][8][16][19][24]。運営する企業が筆頭株主となり、市は12%の出資にとどめる構図は、市長が「行政の役割は条件整備」と述べる姿勢と整合していると推察できます[1][8]。
同時に、この型の弱点も見えています。FITで売電価格が固定される一方、周辺に新しい発電所ができると燃料の奪い合いが起き、2022年秋以降は集積基地から木材が流出しました[21][28]。第2発電所の構想が10MW級から2MWへ縮小したのも、燃料の見通しが立たなかったためです[13]。京都大学の研究は、将来の燃料不足の主因は資源量ではなく伐採できる体制にあると指摘しており[23]、発電所の成否が林業の生産基盤に左右される可能性があります。
7他社への応用編集部の考察
考察この型は、加工工程の副産物を持つ中核企業が地域にあり、自治体が資源循環や産業振興を課題とする場合に応用できると考えられます。木質に限らず、食品残さや家畜排せつ物を原料にする事業でも同じ構図が成り立つ可能性があります。
成立の条件として、第一に、設備より先に原料の集荷と精算の仕組みを作ることが挙げられます。本事例では協議会が供給計画と取引協定を結び、証明と精算を一本化したことで、供給者が十数社に分かれていても発注と支払いが回っています[2][23]。第二に、運営を担う企業がノウハウと資本の過半を出し、自治体は出資を小さくして推進協議会・基金・需要の確保に回る役割分担です[1][8]。第三に、山主への還元のように原料を出す側に利益が届く仕組みを設けることです。本事例の協議会は21団体から約90社・団体に広がりました[2][21]。
一方、FITのように価格が固定された事業は原料価格の上昇に弱く、競合する買い手が現れると供給が不安定になります[21][28]。設備の規模は、資源量だけでなく伐採・収集の担い手が確保できるかを見て決めることが望ましいでしょう[23]。固定価格の期間が終わった後の運営方針も、稼働の早い段階で検討しておく必要があるとみられます[18]。
成立に必要な条件
- 設備の計画と並行して、原料の供給計画・取引協定・証明と精算の仕組みを先に整えること[2][23]
- 運営を担う企業が自前の経験と資本の過半を出し、自治体は出資を抑えて推進協議会・補助制度・公共需要の確保を担うこと[1][8][24]
- 原料を出す側(山主、製材所)に対価や還元が届く仕組みを設け、供給網の参加者を広げること[5][21]
- 原料の供給量を、資源量だけでなく伐採・収集の担い手の確保を含めて見積もること[13][23]
- 固定価格の買取期間が終わった後の運営方針を、稼働の早い段階で検討すること[6][18]